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MAGAZINE THE THR3E THINGS. NORTH SUBURBAN NEW AGE’S PROJECT.

2024.08.22 - Written by BROWN Jr.

BROWN Records / 

COLUMN / 

HARDCORE / 

【BROWN Records】BULLDOZEは聖書みたいな存在。人やその時々でも感じ方が変わる特殊なバンド。- AVE "Mosh Sommelier"コラボ企画 後編 -


BROWN Recordsによる、KEVONE (from BULLDOZE)への追悼ベネフィットコンピレーション発売を記念した、特別企画第三弾。

【バックナンバーはこちら】
第一弾:【BROWN Records】「喧嘩の原因は俺らの音楽が暴力的だったから」KEVONE (BULLDOZE) Deep Cutz Fanzine インタビュー和訳
第二弾:AVE Column「Mosh Sommelier」第2回: BULLDOZE

リリースまであっという間に残り1週間ほど。先週締め切ったバンダナセットのバンドルもかなりの数ご注文いただき、迫る9/1のリリースに向け盛り上がりを見せるBULLDOZE追悼コンピ。その特別企画も今回が最後となる。

(バンダナセットのネイビーが予想を上回る受注数だったため、プリント業者の在庫が追いつかず発送が遅れるかもしれません汗。ご注文順に対応させていただき遅れそうな方には直接ご連絡させていただきます。)

今回は先週AVEにて公開したMosh Sommelierコラボ企画後編。PAYBACK BOYS & PAYBACK BOOKからNgrauder & Lil Mercyを両氏招いた対談模様をお届け。愛が深過ぎる故に、自由な会話から考察を重ねていく2人の会話はBULLDOZEお初の人も、玄人タフガイも、読み応え抜群の内容になっている。

後編の今回は、BULLDOZEをとことん深堀りした前編と比べ、周辺のバンドや環境にも目を向けながら考察を深める内容になっていて。当時を知らない僕ら世代にとっても想像しながら読み深められる記事になった。

この3本の記事に加えて、CD購入者特典のBULLDOZEドラムChrisへのインタビューも読めば、BULLDOZEのことがある程度理解できるかもしれない。

【STRAIGHT UP BEATDOWN / V.A.】
1st September, 2024 Release

STRAIGHT UP BEATDOWN / V.A. (CD) – ¥2,000
2024, BROWN Records [BRW-003]

リリース詳細はこちら


対談:Ngrauder + Lil Mercy (PAYBACK BOYS|PAYBACK BOOK) feat. BROWN Jr.(BROWN Records / DIKTATOR / ROCKCRIMAZ)
編集・校正:BROWN Jr.(BROWN Records / DIKTATOR / ROCKCRIMAZ)


BULLDOZEは当時から既に5,000円レベルのレア盤だった

Ngrauder(以下N):Gain GroundのCDって結構ユニオンとかで簡単に買えたから、俺の場合先にCDで聴いた後ZINEを見て、こういうバンドだったんだなって理解深めるパターンが多かったかもしれない。

Lil Mercy(以下M):あと輸入される量もそんなに多くなかったから、入ってきたら大体みんな買って持っているって感じだったよね。それこそ最初はVictoryのバンドとかしか入ってきていなかったでしょ。あとRevelationとか。
ちょうど80年代リバイバルみたいな感じで、Youth of TodayとかGorilla Biscuitsとかがレコードで再発していた。BULLDOZEはそういう流れの後に入ってきたNYHCのバンドの一つみたいな認識でしたね。SubzeroとかはCentury Mediaで買えたし。でもBULLDOZEはCD屋にあまり売っていなくて、OUT TA BOMBで買ってた人がほとんどだったんじゃないかな。

日本においてNYHCを広めたZINE。それを元にしたレーベルもあり、Lil Mercy氏はここで働いていた経験もある。そして氏が所属していたWiz Own Blissもここからリリースしている。
伝説のVOD PUFFY事件?のレビューの下にThe Final Beatdownのレビューもしっかり載っている。本当に絶対買いです。
ISUUE 2ではTerror Zoneへのインタビューとして、KEVONE自らがBULLDOZEの歴史を語っている。

BROWN Jr.(以下B):日本だとOUT TA BOMBくらいしか買えなかったんですか?

M:その辺は関西の人に聞いた方がわかるかもしれない。関西の人たちがどこでGETしていたか。RADICAL EASTとかもディストロしてたかもなあ。でも名古屋の人はどうだったんだろう。S.I.Hとかかな、Gain Ground Japanだったし。

N:IRATEの頃くらいになると、IDSが出てきてカズキくん(Juke Boxxx Record)が現地でIRATE見てやべえってなって、デモテープ買ってたりしていたね。Nat Recordにもあったし。そのくらいになると流通が整備され始めた印象。

M:95-6年くらいになると、日本でもBULLDOZEが爆発的に入ってくるようになっていったんじゃないかな。あとはUPSTATEとかでMerauderとか買っていたかな。でもその当時どうやって輸入されていたかは謎だな。ディストリビューターの力が大きいのかも。EGHとかTroyのバンド、Cold As Lifeとかみたいにバンド直でやり取りすることもあった。

N:ある時を境にBack Ta Basicsが大量に日本に入ってくる時期があったんだよね。普通のレコード屋でも大量に扱い始めて。それまでBack Ta Basicsは25 Ta Lifeくらいしかなかったけど、一気に増えた。

M:そう思うと(BULLDOZEに比べて)Terror Zoneは普通に売っていたんだよね。やっぱGain Groundの力は大きいのかも。

N:Terror Zoneで言えば赤のジュエルケースで、Next Step Upが黄色とか。それぞれカラージュエルケース盤を出すことがあった。Neglectが緑、Edgewiseが青とかね。All Out Warもあったけど、何色か忘れちゃったな。今作るとたぶん高いんだろうね。

ロングアイランドのNegletcの謎すぎるジャケ。1曲目のL.S.S.はOne Second Thoughtもカバーしている。

B:じゃあTerror Zoneの方が先に認知されていた感じですかね。

N:俺はTerror Zoneの方が先だったと思う。

M:BULLDOZEの音源は既に入手困難音源としての期間が長かった。バンダナ盤の再発までたぶんみんな聴けていなかったんじゃないかな。7インチも既にレア盤だけど先輩たちは持っていたかも。自分たちよりちょっと上の世代の方達はみんな持っていた印象。

N:当時のDOLLの巻末の「売ります買いますのコーナー」で、NYHCのレア盤ありますって人にハガキ送ってリストを送り返してもらって、BULLDOZEとかDarkside NYCの7インチがその頃で既に4-5,000円とかしていた。今思うとオリジナル盤がその値段だったら買っていたけどね(笑)当時はちょっとなあってなっちゃっていた。CDでも聴けるからいいかなみたいに思って。
あとはNY HARDESTの影響は大きかった。でもあれは普通は買えたんだよな。

B:ちょうど今日NY HARDESTの7インチの方持ってきていて。これ面白いのがBULLDOZEの「Respect Through Fear」が「Respect」になっているんですよ。「Nothing But A Beatdown」が「Beatdown」だけになっている現象みたいな。面倒臭がって省略しているのかもしれないですけど(笑)

M:CDの方は数があったけど、入ってきてすぐに無くなっていると思うんですよね。どこかのレコ屋に並んでいたっていう情報を得た次の週にはもう無くなっているみたいな。でも思うのがその並んでいたっていう情報は誰からゲットしていたんだろうって(笑)たぶんライブハウスで聞き耳立てていたレベルだと思うけど。友達から聞いたわけじゃなかったと思う。

N:当時はみんなレコード屋に足で通って、どこどこにアレあったよとか、あのバンドやばいらしいよとか。そういうのを聞き耳立てて必死に情報を集めていた気がする。

M:あとはTシャツ着てアピっておくみたいな(笑)話しかけられ待ちみたいなね。とにかくレコード屋にも行ったし、人の話もよく聞いていた。ZINEをやっていたのも人から情報欲しかったってのもある。
サンクスリストもよく見ていたけど、100個書いてあっても5個くらいしか実際に買えるものはないことがだいたいでしたよね。このBilly Club Sandwichって名前超かっこいいけどなんなんだろってなって、ちょっと時間経った頃に知ってこれかみたいなね。

音楽は、出会い方によって印象や価値観が変わってくる

M:入手の仕方によって存在が変わってくるとかありますよね。BULLDOZEなんて聴きたくても聴けないみたいな感じで、既に伝説みたいな存在でしたね。聴く前から既にやばいみたいな。それによって向こうがやっていることを全部聴き取ろうっていう意識が働く。

N:DAZEから出たやつだと曲順が違うよね。それによって解釈が変わってくるんじゃないかなとか思っていて。俺らはBeatdownが一曲目の方が印象強くて、あの曲のイントロが全部の曲のイントロになっているような気がしていて。DAZEの方を先に聴いている人はまた違う印象になっているんじゃないかなって思った。

M:なんの音楽でもそうだけど、聴いた順番で感じ方も変わってきますよね。僕はNY HARDESTで一番最初に聴いているので、やっぱRespect Through Fearの方が印象としては強い。どの曲が一番か聞かれたらだいたいそれになっちゃう。

N:NY HARDESTで聴いた時は1曲目のVision of DisorderのSufferが印象強すぎて、BULLDOZEはそこまでじゃなかったって記憶がある。何度も聴いているうちにこのバンド渋いなとか思って。

DAZEからリリースされた再発版(画像中央下)ではThe Truth始まりになっている。記事後半で出てくるがこれはThe Final Beatdownの3rdプレスのDVD版での曲順に倣っていて、ライブセットを意識していると想像できる。

M:その当時ってコンピレーション文化がすごかったじゃないですか。コンピ内ではいいけど、単独ではあんまりとかもあったし。

N:NY HARDESTの7インチだと、曲順があって無いようなものだし。いきなりFahrenheit 451から聴いたら、なんだこのコンピみたいに思ったかも知れない(笑)でもそういう面白さを狙っているかもしれないよね。バンド名と曲名で判断してそこから聴いていける面白さがある。

M:みんなのBULLDOZEとの出会い方を聞いてみたいよね。バンダナジャケのセカンドプレスからはみんな持っている印象だし、聴きやすくなっいたんじゃないかな。

B:(NY HARDESTの7インチを見ながら)たまたまかもしれないですけど、やっぱ青なんですかねBULLDOZEって。そのイメージもあって今回のジャケは青にしています。

N:バンダナ柄って意味ではDSLのアルバムもそのイメージがある。元々はDeniedの影響でTogether As Noneってバンド名だったし。メンバーもたぶんほぼ一緒だと思う。この前も出た話だけど、やっぱDeniedの方がみんな影響受けているのかもしれない。わかりやすさと入手しやすさとか。

M:BULLDOZEの曲って正直訳分からないとこがある。アルバムも編集盤でこの10曲しかないけど、だからこそ逆に語れるみたいな。聴く度に感じ方は変わるのも面白い。

N:歌詞とかも昔はなんとも思っていなかったけど、今じゃ「Suffering Day by Day」とか辛いなって思っちゃうもん(笑)

90年代のNYHCは、街の事情や世紀末という目に見えない不安感の影響が大きいのかも

M:90年代のバンドってなんか暗いですよね。特に自分らが聴いていたものは、あまり突き抜けたこと歌っていないような。当時のアメリカとかNYはあまりいい状態ではなくて、何かが変わっていく過程だったのかも。世紀末だったりするし、だからこそこの90年代の音楽って特殊なのかもしれない。00年に入ると一気に雰囲気が変わる。

N:日本人に比べてキリスト教圏はアルマゲドン的な思想があるだろうから、何かしら日々感じながら生きていたのかも。暗いというか影を感じるよね。何か後ろめたさを感じながら音楽をやっていたのかも。今の時代はナチュラルに音楽をやれている気がする。

M:当時の人は、考えている量や質が今とはまた違ったのかもしれないですね。今の人が考えていないとかではなく。内省的な思考というか。

N:当時のインタビューを見てると、Madballや25 Ta Lifeとかみんな口々に言っていたのは。80年代後半まではCBGBとかマチネーがあってめちゃくちゃ盛り上がっていたけど、暴力沙汰が多くなって一度全部なくなってしまって、そこから一から始めたみたいな感じらしくて。
そういう意味ではMadballみたいに運よくROADRUNNERのようなデカいレーベルから出せたバンドは例外だけど、ほとんどのバンドが苦労していたみたいで。演奏できる場所がまずないとか、だいたいどこの箱も出禁だったみたい。Madballのフレディも「真似事でクルーなんて作るもんじゃない」なんてこともよく言っていて。

M:確かに当時のインタビューはよくそういうこと書かれていましたね。そこに対してすごいネガティブなことを答えているのをよく見た。

N:「NYHCのシーンはあの時死んだんだ」ってみんな口を揃えて言っていた。

M:NYHCドキュメンタリーは、シーンがダメになった時にリリースするみたいな話もあったみたいで。まあでもこのことも誰から聞いたかは定かではなくて(笑)

N:その時3分くらいのトレイラーだけがよく出回っていて。俺らはみんな3分ビデオってよく言っていたけど、そこで初めてリアルのウィンドミルを見て衝撃を受けたんだよね。

KEVONEのローカルメインに対し、他のメンバーはもっと外に出ていきたかったのかもしれない

M:たぶんBULLDOZEの若いメンバーはもっと外に出てやりたかったんじゃないかな。Agents of Manでツアーのサポートした時、毎回ライブの後にここはもっとこうした方がウケるんじゃないかとか話していたり、タワレコとかレコ屋回りたいとか言っていて音楽的な思考が強かったように思う。その日に撮った映像をみんなでホテルで見て、曲のアレンジを議論したり。

N:そういう考えがKEVONE以外にあったから、Train of Thoughtが結成されたとかがあるかもしれないね。ニュージャージーの人って音楽的なこだわりが強い人が多いのかも。One 4 OneのセスのYouTubeとか一人でピアノを弾いているやつがあったりしてさ。

おそらくそのジャパンツアー時の写真(SECONDARMS Xアカウントより

スカが遅くなったレゲエ、ハードコアパンクが遅くなったビートダウン

B:前回の対談を受けて、何か聴き方や感じ方が変わったことありましたか?

N:前回の最後の方で、BULLDOZEのリズムはレゲエから来ているのではみたいな話をしたと思うんだけど。そういえば、レゲエはスカを遅くしたものだし、ハードコアパンクが遅くなったものをビートダウンと思えば腑に落ちるなってすげえ思って。
曲順の違いを意識して96年にリリースされたものとDAZEのものを聴き比べてみたんだけど、DAZEの再発の方はライブのセットリストっぽいなっていうのはすごい思った。The Final BeatdownはDVDバージョンも出てるんだけど、それと曲順が一緒なんだよね。

B:このバージョンではライブテイクもいっぱい入っていて、BreakdownのSick Peopleもありますね。

The Final Beatdownに収録されているテイクの映像。活動後期、解散直前のライブ。

M:Breakdownって曲展開が変というか、リフが戻ってこないやつとかあったりして。Sick Peopleもそうだと思うんだよね。盛り上がり方が特殊なバンド。

B:BULLDOZEも拍数が不思議で面白いですよね。

M:謎な音楽と思って聴くとそうだし、暴力的な音楽と言われればそれもそうだし。こうやって色々人と話した後に聴くとどっちかに寄って聴こえちゃうかもしれない。

N:ギターでいうとなんであんな音出せるんだろって思うよね。ドゥーミーなヘビーさはあるけど、ザクザクした切れ味もちゃんとあるみたいな。どんなアンプで録ったんだろとかすごい気になる。
(The Final Beatdownのブックレットを見ながら)この、ライブハウスなのにすげえレコードが貼られている箱なんなんだろう、すごい気になる(笑)あと服のサイズ感が非常によろしいですね。みんなこれに憧れてOUT TA BOMBとかでデカいサイズ買うんだけど、ボディのサイズ感が絶妙にダサいからあの感じが出なかったり。

M:ロンTの上にTシャツ着ているスタイルとか、いろんな人がやっていたけど俺はこのブックレットにあるKEVONEの印象が強い。

BULLDOZEを中心に、she luv itとNUMBが並ぶコンピってかなり面白い

N:今回のカバーコンピ少し聴いてみたいです。

B:一番やべえのから流しますね。she luv itです。

N:ずるいなあ、割と原曲通りではやっているんだけど、仕上がっちゃっている感じがね。あとこのスタジオ録音ぽい感じがまたいい。いいなあ。関西の人たちのビートダウンへの理解度ってすごいよね、ナチュラルにこれができているとことか。

M:BULLDOZEって崩しづらいからまた難しいですよね。変にアレンジするとDeniedになって別もんになっちゃう気がする。

B:アレンジの隙がないんですよね。

N:音的には隙間はあるんだけどね。ある意味ゆったりしているし、グルーヴも大きいし。でもそこに何か詰め込もうとすると途端に崩れるというか。

M:だからそう思うと、BULLDOZEのカバーコンピをやろうとしているのがもうすでにすごいというか。自分らもライブでやったりするけど、割とシンプルにカバーしちゃうし。BULLDOZE聴いていて、ここがこうだったらもっといいのにとか思ったことないしなあ。LEEWAYとかは、ボーカルの声がこんなに高音じゃなきゃなっていうので生まれた音楽はありそうだけど、BULLDOZEはそれがない。
あと「Represent BULLDOZE ‘94」みたいに、レペゼンをしっかり言い始めたのってBULLDOZEからの気がするんですよね。

B:それでいうと一個いいですか、また流しますね。NUMBなんですけど、ここちゃんとどっちも言っていて。曲の長さとかも流石のアレンジですよね。

N:BULLDOZEを中心にshe luv itとNUMBが並ぶ音源なんて他にないし、面白いね。今の落とし方とかNUMBっぽくていい。さすがだなあ先輩。

M:NUMB自体が既にBULLDOZEに影響を受けているバンドの代表格ですからね。愛を感じるカバーでした。

N:Freewayが日本で最初のビートダウンなんだよね、あの最後のパート。このカバーは、センタくんの声も心なしか少し低めで、KEVONEに寄せている感じもしますね。

リリース詳細はこちら

聖書みたいな存在。人によって解釈が変わるし、その時々でも感じ方が変わる

N:今のBULLDOZEのライブは現地調達系でボーカル入れているよね。日本でやるならセンタくんにやってほしい。

M:そう思うとかなり特殊な存在ですよね。ボーカルがそうやって入れ替わって成立するバンドってそうはないじゃないですか。他のパートだったらあり得るけど。でも新たにメンバーを入れるよりは、みんなの心の中のBULLDOZEが崩れなくていいのかもしれない。

B:その時々のレア感と、それぞれの解釈を元にしたパフォーマンスになりそうでいいですよね。

M:もはや聖書ですよね。最近神学の本読んでいたんですけど、まず自分が神を崇めるゾーンに入らないといけないから。BULLDOZEで言ったら、まず彼らの言っている事を否定せずに全てを受け入れるというか(笑)
今回参加しているバンドがTerror ZoneとかTrain of Thoughtをどう思っているか聞いてみたいな。特に海外だと全然触れられていない印象。Train of ThoughtのBlissは、レーベルは自主でプレスは俺がやっているんですよね、2,000枚くらい作った記憶が。ジャケもかなり不思議ですよね。AOMの日本ツアーに合わせて作ったんですよね。
このコンピを聴いてから本家をまた聴いてみたいですよね、どう感じるか。そういう意味でも面白い企画。当時の時代性に関係するものとか読んで、また更にBULLDOZEに対する考えを深めていけたらいいなと思いました。

N:今だからこそ色々な資料や考えをもとに話せるからいいよね、そこでまた何か生まれてくると思うし。俺らの世代だけじゃなくてコウヤ君の世代の人らが発信とかしていったりね。逆に俺らだったらそうは思わなかったなあみたいな発見もありそうだし。

って感じで綺麗にまとめてみました。

M:今回も面白かったなあ。

B:お二人とも2回に渡り、貴重で興味深いお話の数々本当にありがとうございました!


KEVONEのBULLDOZE活動後期のインタビューの和訳記事の第一弾、
Mosh Sommelierコラボ企画前編の第二弾、
そして今回その後編の第三弾。

リリース記念特別企画の3本立て、いかがだったでしょうか?
リリースに関しての話と今回の企画の感想を少しだけ。

BULLDOZEというNYHCにおいてもビートダウンハードコアにおいても重要なバンドの、カバー音源という改めてとんでもないものに手を出してしまった今回。ビートダウンに関しては始祖な訳だし、ロックンロール/ロックにおけるThe Beatles、ロック/メタルにおけるBlack Sabbathのような存在(?)に手を出してしまったようなものである。

それゆえにそれぞれの想いや解釈が無数にあり、カバー音源を出すなんていろんな物議を醸すのではと走り出した後に何度も考えてしまったが、実際はそうでもなさそうだった。リリースに伴うアナウンスでもポジティブな反応ばかりだったし、リリースがなければこの二人の面白い話も聞けなかったかもしれない(Mosh Sommelierではいずれやっていたと思うが)。

筆者BROWN Jr.もリリースにあたりしばらくの間改めて何度も聞いていたし、これしか聞きたくない時期もあったくらいだがやっぱ不思議な魅力を持っていて引き込まれるバンドだなと思う。

例えばファットなグルーヴゆえによくも悪くも間を感じるバンドで、脳がもったり感を記憶しているが。次聴く際に実はそんなこともなくメリハリのある展開で、逆にそのギャップで毎回新鮮に聴くことができたり。

つい最近まで(?)ビートダウンはBULLDOZEのドラムが下手すぎて、テンポを落とさざるを得なくなったのが始まり的な都市伝説が信じられていたが。実際は、モッシュを誘発させる研究を重ねた結果たどり着いた解とギターのZack本人が語っており、そういう面からも綿密に計算された聴き飽きないグルーヴなのだと思う。実際にKEVONE以外の楽器隊はメタル畑出身で、前身バンドもスラッシュメタルバンドなので技術的なところは問題なさそうだし。

本編でも語られている通り、日本でNYHCが普及し始めた90年代半ば〜後半にはすでに解散していて音源もディスコグラフィーしかない。しかもそのフィジカルが全く流通していない&レア盤ともなれば、いろんな都市伝説や憶測が行き交うのは容易に想像できる。それゆえに皆必死にその少ない情報から何かを見出そうとするし、それぞれの答えとして隔世遺伝的に(?)新たなバンドが生まれていったんだと思う。

10曲しかこの世にないからこその、各々の聴くタイミング次第で変わる感じ方がダイレクトに影響するのも面白く、それが何度聴いても飽きない&新たな発見が生まれる面白さなんだと思う。

BULLDOZEを知っている人はもちろん、このアルバムで初めて知った人もぜひオリジナルと聴き比べて、その違いを楽しんでもらいたい。それが実現できるクオリティになっているかと。

おすすめは、

①まず何も考えず、STRAIGHT UP BEATDOWN(このカバーアルバム)を聴く
②分かりやすく違いを知るため、The Final Beatdown(本家)をすぐに聴いてみる
③各バンドのオリジナルとカバーを聴き比べ、BULLDOZEのエッセンスを感じてみる
④ここで改めて、The Final Beatdownを聴いておく
⑤締めに、STRAIGHT UP BEATDOWNを聴いて全てを理解

みたいな流れ。ラーメン屋のおすすめの食べ方くらいウザいが、たぶんこんな感じに聴いていくとしばらく楽しめると思う。

ぜひフィジカルを手に取ってもらい、目と耳で楽しんでKEVONEの遺族をサポートしていきましょう。



►►BROWN RecordsよりBIGすぎるリリース►►


2022年9月1日に惜しまれながらこの世を去ったビートダウンのオリジネーターBULLDOZEのボーカル、KEVONEへ贈るトリビュートコンピアルバムが完成!

このアルバムは名盤にしてビートダウンの原点でもある”The Final Beatdown (’96)”の曲順に添い、国内外のBULLDOZEへのリスペクトを感じるバンドがカバーしていくもの。

どのバンドもBULLDOZEへのリスペクト、それぞれの解釈に基づくオリジナリティ、どちらも存分に感じる素晴らしい仕上がりに!

さらにブックレットにはCD購入者特典として、BULLDOZEのドラムChirsへの特別インタビュー記事も掲載。KEVONEとの出会いやBULLDOZEの成り立ち、ビートダウンの由来についても言及していて資料としても十分すぎる内容となっています!

昨今盛り上がりを見せる、ビートダウン・タフガイサウンドのルーツとも言えるBULLDOZE。彼らをこれ以上なくフィーチャーした特大アルバム。 TENKI(DIKTATOR)によるカバーアートから、BROWN Jr.(BROWN Records)によるブックレットと、細部に至るまで愛を込めて制作◎

ぜひ目で耳で体感してください!


※売り上げの一部はKEVONEの遺族へ寄付します。


【STRAIGHT UP BEATDOWN / V.A.】
1st September, 2024 Release

STRAIGHT UP BEATDOWN / V.A. (CD) – ¥2,000
2024, BROWN Records [BRW-003]

リリース詳細はこちら

リリースまでのしばしの間、2023年夏にシングルカットリリースされた2曲を聴いて楽しみにしておいてもらえると嬉しいです。

V.A. / STRAIGHT UP BEATDOWN (Single Cut Promo ver.)
SECTOR (from US) / DOMINATE (from Japan)


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